マンションは築何年まで売れるのか?
マンションの売買で気になることの1つに、
マンションは築何年まで売却できるのかがあります。
築古マンションは買ってもいいのか、
買った後に売れるのか。
今回の記事ではこの疑問について考えていきます。
動画での解説はこちらです
マンションの耐用年数は?
マンションの歴史
日本で一番古いマンションで有名なのが
「宮益坂アパート」や「四谷コーポラス」です。
賃貸の共同住宅としては、これより前から同潤会アパートとか軍艦島の建物などがありますが、
「分譲マンション」としては宮益坂アパートが一番古いそうです。
1953年(昭和28年)に建設されて、2016年に解体されました。
築63年です!!
四谷コーポラスは1956年(昭和31年)に建設されて、
2017年に解体されたので、築61年です。
じゃあ、今あるマンションで築年数が古いものはどれぐらいなの?
ということで調べてみました。
現存するマンションで有名なのは、
「代官山コーポラス」や
「目白台ハウス」
ではないでしょうか。
「代官山コーポラス」は1957年築なので、
築65年です。宮益坂アパートの築年数を抜きましたね。
「目白台ハウス」は 1962年(昭和37年)に建設されたので、
2022年現在で築61年です。
あと2年で宮益坂アパートとならびます。
よく、マンションは鉄筋コンクリート造で頑丈だから、
適切なメンテナンスさえしていれば、
築100年までは維持できると言われていますが、
日本においては今のところ築60年ぐらいがまでしか実例がありません。
(※パリにはフランクリン街のアパートというのが1903年からあるので、
築117年で100年 たっても残っています。)
なぜ日本のマンションは築100年超えるものがないのかというと、
日本特有の事情があると私は考えています。
日本の建物事情
建物の平均寿命
歴史的建造物クラスになると、日本は世界でもトップレベルだと思います。
法隆寺とかもう築1400年ですからね。
ただ、一般的な住宅となると海外より建物寿命が短い傾向にあります。
住宅寿命の平均は、日本27年、アメリカ67年、イギリス81年
日本はアメリカの半分以下の寿命です。
また、新築が良いという思いが強いのか、統計によると年間約90万個の新築を建てています。
中古住宅の取引量は約17万戸と言われていますので、
日本は新築の方が圧倒的に多いと分かります。
ちなみに、アメリカは新築55万戸で中古の取引数は515万戸、
イギリスは新築12万個で中 古の取引数は71万個なので、
比較すると日本の新築着工数の割合は圧倒的に多いですね。
※参考:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/common/000219622.pdf
法定耐用年数
新築が多いことに加えて、税法によって建物の耐用年数が決められていることも、
建物の平均寿命が短い原因の1つだと考えられます。
法定耐用年数は建物の種類や構造によって変わってきます。
鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造のマンションなら47年、
木造又は合成樹脂造の戸建なら22年です。
銀行や属性にもよりますが、住宅ローンは法定耐用年数以内とされる場合もあります。
例えば、築40年の鉄筋コンクリート造マンションを住宅ローンで購入しようとしたら、
法定耐用年数47年ー築40年なので残りが7年、
住宅ローンは最大で7年といったぐあいです。
※法定耐用年数を過ぎてもローンが組める場合ももちろんあります。
住宅ローンが組みにくいなら新築かなるべく築浅で、
築浅が高くて無理なら20~25年ぐらいがいいという考えが成り立ちます。
マンションの築年数から見る不動産売買
統計データ
日本の建物の寿命が短いのが分かったところで、築何年まで売れるのか考えてみましょう。
まず大事なのはデータです。
公益財団法人東日本不動産流通機構、レインズが「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」というレポートを出してくれているのでみてみましょう。
概要欄にリンクを貼っておきますので、ご興味がある方はそちらからみてくださいね。
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202002.pdf
2019年における中古マンション成約物件の
築年帯別の比率はこのようになっていました。
築0~5年 9.1%
築6~10年 14.1%
築11~15年 17.5%
築16~20年 14.3%
築21~25年 10.6%
築26~30年 7.8%
築31年~ 26.6%
築26年以上の物件でも34.4%の割合をしめているので、
ある程度築年数が古かったとしても売却は可能だと分かりました。
このデータだけだと築何年まで売却可能なのかまでは分かりませんので、
実際の取引事例を調べてみましょう。
実際の売買事例からみた事例
レインズで東京のマンションで築50年以上のマンションの成約事例を検索した結果がこちらです。
築50年以上の成約件数が多くて全部見切れませんでした。
レインズの検索だと500件を超えるデータは出してくれません。
1970年より前と指定していたので、もう少し築年数を古くしてみます。
1968年より前と設定して検索しました。
結果は
合計で202件でした。
築50年を過ぎていたら価値なんかほとんどなくて二束三文なのでは?
と思うかもしれませんが、
最低坪単価は20万円(町田市 バス7分)、
最高坪単価はなんと409万円(渋谷区)でした。
築年数は関係なく、立地で価格が決まるのではないかと思われます。
まとめ
まとめ
マンションの歴史や耐用年数、様々なデータ、実際の事例を基に、
マンションは築何年までなら売れるのかを考えてみました。
いまの段階では、築65年まで、立地によっては売れるというのが答えです。
なぜ築50~60年を超えたマンションが売れるのかというと、
理由としては2つあると考えられます。
1.二度と手に入らないような好立地にある
2.建て替えたときに付加価値がつく
マンションは建物がメインですが、
借地でなければ土地の所有権もありますので、
立地がよければ築年数が古くても価値がゼロになることはありません。
建て替えたときになんで付加価値がつくのかは、
土地の価格や容積率の緩和など説明しなければならないので、
こちらについては別の記事でご紹介しますね。
築古マンションを購入したり、
リノベーションするときの参考にしてください。
墨田区不動産売却相談センター
住所:東京都墨田区両国4-33-12‐501
電話番号:03-3631-3756
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